
伊豆の海で見たトラウツボ。フィリピンでは見たことがない鮮やかなウツボなので、伊豆で初めて見たときはかなり感激したのだけど、伊豆ではかなり一般的なウツボらしい。いろんな種類のウツボがいるけど、写真のように「ウギャー」と口を大きく開けているウツボ遭遇率はかなり高い。

同じく伊豆のトラ。
迫真の「ウギャー」。
こちらは少し控えめに
「ウギャ」。
このウギャー行動、「自分より大きいものに対する威嚇」などと説明されていることもあるけど、専門書(注1)によれば、ただ純粋に口からエラへ水を通すことで呼吸をしているらしい。中にはもはや口がきちんと閉まらないウツボもいる。鋭い歯があるため、「噛まれたら危険な生物」と言われるが、もともとは臆病な性格で、自ら人間を襲ってくるようなことはないという。そういえばトルコのダイブガイドは素手でウツボをなでて、「ウツボって、結構遊び好きなんだよ」などと言っていた。
とはいえどんな優しいウツボであろうとも、むやみやたらに構われたら威嚇のウギャーをするだろうし、攻撃もしてくるだろう。実際、トルコのダイブガイドの弟子は、師匠の真似をしてウツボに噛まれたらしい・・・。ウツボもさぞかし迷惑だっただろう・・・
(注1) "Reef Fish Identification, Tropical Pacific"(2003) 参照
***さかなプロフィール***
【和名】 トラウツボ
【学名】 Muraena pardalis
【分類】 ウナギ目ウツボ科
【特徴】 1.顎が湾曲して完全に閉じられない。2.後鼻孔も前鼻孔同様、管状になっている。
【分布】 南日本(沖縄島以南を除く)、インド・太平洋域
【撮影】 伊豆半島、八幡野
(「日本の海水魚」(1997) 参照)
【英名】 Finespotted Moray
【学名】 Gymnothorax dovii
【分類】 ウナギ目ウツボ科
【特徴】 オリーブ色~濃褐色
【分布】 コスタリカ、パナマの太平洋沿岸、エクアドル南部。カリフォルニア湾やメキシコの太平洋沿岸ではまれ。
【撮影】 コスタリカ、ココス島
("Reef Fish Identification, Baja to Panama"(2004) 参照)
【和名】 ウツボ
【学名】 Gymnothorax kidako
【分類】 ウナギ目ウツボ科
【特徴】 近縁のミナミウツボとは、白色のシリ鰭縁辺を持つことで区別。
【分布】 琉球列島を除く南日本、台湾。
【撮影】 伊豆半島、八幡野
(「日本の海水魚」(1997) 参照)
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